小売業は、メーカーの商品を仕入れて売るにしろ、自ら商品をつくって売るにしろ、商品をつくる人がいて、それを買ってくださるお客様がいて成り立っている。しかし、作り手がどうしてこの商品をつくったのか、どんな使い方や着こなしをイメージしているのか、これらのメッセージが伝わらないと商品の良さや価値は評価されない。すなわち、お客様に買っていただけないのである。ファッションは、それを着るとどんな気分になれるのか、周囲からどんな風に見られるのか、そんな事にお金を払うのであり、服としての機能だけに代価を払っているわけではない。また逆に、お客様の価値観の変化、それに伴う売れ筋商品の変化は速くなる一方である。お客様や商品の変化を一番身近に感じるのは小売店であり、接客をしている販売員なのである。それを素早くつかんで、仕入れや商品づくりをしている人に正しく伝えていく。さらに、商品だけではなく、店のつくり方やサービスや販促、商売のやり方そのものまでも、お客様の意向をくんでその責のある人に伝えていくべきポジションにいるのである。その意味で、販売員は、コミュニケーターであると同時に、積極的に商品づくりや店の改善に取り組んでいこうとする人にとっては、プロデューサーの立場にもなれるのである。