医療は人道的行為を基盤にしていますが、人道的行為にはそれなりの評価があってしかるべきです。日本人の悪い癖で、他人からの奉仕は希望しても、他人の奉仕を低く評価する傾向があります。医療やボランティアなどの献身的な奉仕を低く評価する、あるいは金銭的に優遇しない、このような国民的甘えの体質を是正する必要があります。医療の基本は献身であり、悩める患者に手を差しのべることです。この当然すぎる医療概念は、医療機関のみならず国民全体の感情の中にあります。
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この感情が「医療機関は献身的であるべき」という国民的な潜在的観念をつくっています。そしてこの国民的心理が時として医療問題を意外に複雑化させることになります。患者がちょっとした不満を医療に感じた時、その感情は「病院は献身的であるべき」という潜在的妄想により、何十倍にも増幅されることになります。そして、この感情的不満が医療構造の不備を分析する上で障害になるのです。つまり、感情に走った議論からは建設的な対策は何も生じないのです。この感情が問題解決のための冷静さを失わせることになるのです。